美容医療は、現状、軟部組織治療にとどまる。

生まれつき、顔面に亀裂が入ってしまうような病気で生まれてしまう人がいます。(顔面裂)

生まれつき、顎に亀裂が入ってしまう人もいます。(口蓋裂)

顔面裂も、口蓋裂も、修復するのは、皮膚と皮下組織にとどまり、骨を修復しないことが大抵です。

それらの異常な骨格を修復すること(硬性再建)は極めて難しいのです。たとえ骨を触っても、悲惨な結果が待っていると予測可能だからです。

病気で生まれてしまった人にする治療で硬性再建はリスクをとれないわけですから、

まして、健康な人に骨を切って治療をするということがどれだけ危険なことかご理解頂けるかと思います。

たしかに、手をだして構わない場所も増えてきました。

下顎骨の治療の進歩はめざましいものがあります。

非対称な下顎骨を延長させるイリザロフ法。

受け口を治す、下顎枝矢状分割法(SSRO)、オトガイ形成術など。

しかし、顔貌というのは、

顔面 + 頭蓋   です。

かお + あたま と言ってもいいでしょう。

もう少し詳しく言いますと、

顔貌というのは、

顔面骨 と 頭蓋骨 

この両者を土台にして成り立っています。

土台を直して、杭を整えて、屋根があるとします。屋根を我々が見ているとしたら、土台が変わるとどれだけ屋根の形状が変わるかご理解頂けるかと思います。

尚、杭は皮下組織と言いまして、皮膚と骨の間にある物です。屋根にあたる皮膚とまとめて、軟部組織ともいいます。

「基本的に、顔貌の骨を『全部美しい形に整えるのは不可能』と思ってもらって構いません。」

一部の顔面骨は治療可能です。先ほど申し上げたような下顎骨が良い例です。

他にも、頭蓋骨を短冊状に切って、頭蓋骨の形状を整える方法も世にはあります。

今まで、数々の臨床家が修正を試みようとしてきました。

しかし、硬性再建は困難を極めます。

なぜ、修復不能なのか。

それは、「顔貌を形作る骨格を美しく改築しようすると生命維持に必要な機能を失いうるから」です。

もしくは、ビルのとあるフロアの床だけ高くしたらどういう形状になるか想像してください。

ですから、どれだけ美しくできるか、どこなら治療可能か、よく検討して美容外科に行きましょう。

「ちょっと綺麗になったらいい。」

自己ベストを目指すならお手伝いが可能です。

尚、少しだけ触れますが、韓国で美容医療を受ければ日本人も美しくなると思うのは、十分に慎重になりましょう。鼻根、こめかみから上方の骨格に大きな違いがあります。これについては、別項で記載したいと思います。